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涼菓でクールダウン。総本家駿河屋、夏の風物詩

私ども総本家駿河屋は室町時代に始まり、先代から受け継がれてきた歴史と伝統とともに、皆さまに愛され支えられてまいりました。

時代を経ても輝きを失わない定番の味わいも、
新しい時代と共に進化していく革新的な味わいも、

長年にわたって切磋琢磨しながら手を取り合ってきた『人』の想いが込められています。

今回は、寒天の透明感が心地よい涼しさを想起させ、夏の季語としても広く知られている『みつ豆』をご紹介しましょう。

『みつ豆』のルーツは縁日の細工菓子

フルーツや赤えんどう豆など、様々な食材が入った夏の風物詩『みつ豆』。
食材の中でも涼感溢れる寒天が特に印象的ですが、実は元々『みつ豆』には寒天は入っていませんでした。

では何が入っていたのでしょうか?
それは…糝粉(うるち米を洗って乾かし、ひいて粉にしたもの)を水でこね、蒸したものを花や鳥などの形にして彩色した餅菓子『糝粉細工』でした。

『糝粉細工』は、江戸時代から庶民や子供たちに親しまれていたそうですが、職人たちが色々な形の餅菓子を作り出していく中、ある時、船の器に『糝粉細工』の動物たちを乗せ、赤えんどう豆をちりばめた上に砂糖から作った黒蜜をかけたものを発案しました。
これが豆に蜜をかけた『みつ豆』と名付けられ、江戸時代後期に縁日や駄菓子屋などを中心に全国へ広まっていったそうです。

寒天が用いられるようになったのは明治時代に入ってから。
東京浅草の和菓子屋が新たな流行を生み出そうと、スイーツショップの原点ともいえる『みつ豆ホール』を開店。モダンでハイカラな洋銀の器には『糝粉細工』に代わって、さいの目に刻んだ寒天やフルーツが入り、見た目の新しさや清潔さなども加わったことで、高級スイーツとして当時の人々の間で評判になったそうです。

昭和に入ると、銀座のみつ豆店が『みつ豆』に餡をいれた『あんみつ』を考案。こちらも瞬く間に大好評となり、その後も『みつ豆』のバリエーションは、『白玉あんみつ』『クリームみつ豆』『コーヒーみつ豆』などさらに増えていきました。

そして現在、『みつ豆』は様々なスタイルをもつことで季節を問わず店頭に並ぶようになり、冷菓の定番として今もなお新たなファンを獲得し続けているのです。

華やかで楽しい夏の味覚『みつ豆』


様々なバリエーションをもつ『みつ豆』ですが、総本家駿河屋の『みつ豆』はスタンダードなフルーツ入り。数十年前から期間限定で店頭に並ぶ人気商品です。
「おいしいので1年中販売してほしい。」という嬉しいお声も届いているのですが、季節とともに和菓子をお楽しみいただきたいという思いから、初夏から夏にかけての販売のみとさせていただいております。

彩り鮮やかな外箱を開けると、中には昔ながらの缶詰が。
近年はコストなどの問題からほとんどの店がプラスチック容器での販売に切り替えているようですが、フルーツなどの酸化が早まるデメリットがあるため、総本家駿河屋では一貫して、鮮度を保つことに優れた缶詰の容器にこだわり続けています。

食材は、寒天、白桃、黄桃、みかん、パイン、チェリー、赤えんどう豆など。
色とりどりな様子が目に楽しいこれらを秘伝の駿河屋オリジナルレシピで爽やかな味に調えています。

涼しげな佇まいに加えて、寒天の弾んで崩れる程よい食感、フルーツのみずみずしさなど、様々な魅力を一度に堪能できる『みつ豆』は、常温でも充分美味しいのですが、冷やして召し上がっていただくとまた格別。
単品はもとより『水羊羹』『プリン』とセットになったお中元の定番商品としても皆様からご愛顧いただいております。

日頃お世話になった方へのご贈答に、そして暑い日々に頑張った自分へのご褒美に。
いつの時代にも、華やかさと清涼感を感じていただける総本家駿河屋の『みつ豆』を、ぜひ皆様でご賞味ください。

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