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長い歴史をもっと身近に。和洋折衷が融合した『金の本の字饅頭』

私ども総本家駿河屋は室町時代に始まり、先代から受け継がれてきた歴史と伝統とともに、皆さまに愛され支えられてまいりました。

時代を経ても輝きを失わない定番の味わいも、
新しい時代と共に進化していく革新的な味わいも、

長年にわたって切磋琢磨しながら手を取り合ってきた「人」の想いが込められています。

今回ご紹介させて頂くのは、看板商品である本の字饅頭をもっと色々な人に知ってもらいたいという想いから2015年秋に登場した「金の本の字饅頭」。見た目は和でも食べると洋菓子っぽさを感じさせてくれる、このやさしい味わいの誕生秘話をお届けします。

歴史ある本の字饅頭をもっと身近に感じてほしい

紀州公上洛のおり、道中の食糧として供せられた歴史ある和歌山の名菓子として親しまれている「本の字饅頭」。今も昔も総本家駿河屋の看板菓子であり地元の人たちから愛されている饅頭ですが、日持ちできないため和歌山の地でのみ販売されていることが唯一の欠点でもありました。

変わらぬ美味しさをつくり続けるが故に限られた場所でのみ提供をする、昔ながらのスタンスを守る一方で、なにか新しい取り組みをしたいと考え、完成したのが「金の本の字饅頭」なのです。


おやつに、手土産に。研究を重ねて誕生した最上級のもっちり食感

まず、従来の本の字饅頭との違いを出すために、一線を画す真新しさを引き出すために注目したのが「皮」でした。誰が食べても美味しいと感じてもらえる食感を研究した結果、しっかり日持ちする「もっちり」「しっとり」を実現した生地が完成。その皮を土台にして、本の字饅頭のこし餡に酒粕を練りこんだものを包んだらどうか?というアイディアを取り入れたところ、「こら美味しい!」と納得の味に。これが金の本の字饅頭の始まりです。

より多くの人に本の字饅頭を知って頂こうという願いを込めて、焼き文字に「本」を入れ、さらに黄金色の見栄えから「金」を付けてついに完成した「金の本の字饅頭」。2015年の発売から今年で3年目、今日では総本家駿河屋の店頭をはじめ、オンラインショップからも注文が可能となり、全国の人たちに愛されるまでに成長しました。どこかホッとした懐かしさが宿る金の本の字饅頭が出来上がるまでのこだわりとは……?


■ 誰が口にしても美味しい、本格派のもちもち皮

大人から子どもまでに認めてもらえる金の本の字饅頭のもっちり皮は、砂糖とオリジナルの配合の粉がベース。そこに卵とバターを加えてコクを出し、水飴を配合してボソボソ感が出ないようしっとりとした口当たりの生地に仕上げます。

■ もっちり生地と相性の良いこし餡を使用

本の字饅頭のこし餡に平和酒造「紀土」の酒粕を練り込み、さらにうま味を底上げしています。

■ 一切ムラのない黄金色で揃えた見栄え

金の本の字饅頭はその名が示す通り、均一に焼けた黄金色が特徴です。当初の試作段階では遠赤外線のオーブンを使用していましたが、現在は炉内固定式の回転ファンによる熱風の循環によって、より美しくムラのない焼き上がりを実現させるレベントオーブンで焼き色を付けていきます。

■ 美しい「本」の焼き文字

従来の本の字饅頭は、焼き印を機械で入れるようになりましたが、
金の本の字饅頭は、原点に戻り昔と同様、職人が一つ一つ気持ちを込めて
手作業で焼印を入れています。

駿河屋に伝わる笹づるの意匠を使ったパッケージが印象的な金の本の字饅頭は1つひとつが個包装されており、贈り物や手土産にも喜ばれています。本の字饅頭からインスパイアされた「和」の見た目ですが、食べれば洋菓子が口の中に広がります。

発売開始から翌年となる2016年には、和歌山県がお勧めするお土産、物産、観光資産となる優良県産品推奨制度「プレミア和歌山」にも選ばれ、和歌山を代表する菓子にまで成長しました。

そのままで食べても美味しい、トースターで焼けばさらに美味しい。お子さまから大人まで皆が笑顔にする存在になれるような、末長く愛される菓子で在りたいと思います。


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