令和二年文月の菓子ごよみ

私ども総本家駿河屋は室町時代に始まり、先代から受け継がれてきた歴史と伝統とともに、皆さまに愛され支えられてまいりました。

時代を経ても輝きを失わない定番の味わいも、
新しい時代と共に進化していく革新的な味わいも、

長年にわたって切磋琢磨しながら手を取り合ってきた『人』の想いが込められています。

今回は、文月（7月）に総本家駿河屋でお買い求め頂ける和菓子ラインナップをご紹介します。

夜空に煌めく星々のように…『天の川』

来る7月7日は七夕。元々、中国の織女・牽牛の伝説と手芸や機織りなどの技巧上達を願う『乞巧奠（きっこうでん）』が合わさった行事で、日本には奈良時代から伝わったそうです。
現在、七夕の時期には、願い事を書いた短冊を笹に飾り、花火大会など夜空を見上げるイベントが各地で行われています。
そんな中、総本家駿河屋では、和菓子で七夕にちなんだ商品を生み出そうと職人たちがアイディアを出し合い、美しい作品を完成させました。
それが羊羹と寒天の２層で夜空に流れる星々を表現した『天の川』です。

『天の川』（7月1日～7月7日まで販売）

『天の川』は、専用の型に金粉をまぶしてから、澄んだ緑色の寒天を型の半分まで流し込み、ある程度固まってから羊羹を流し込むという手法で職人たちが１つ１つ丁寧に仕上げていく逸品。
寒天がある程度固まるまで待たなければいけないこと、羊羹が混ざらないようタイミングをはかりながら流し込むことなど、手間と時間がかかるため、7日間で180個のみの限定販売となっています。
上部のプルンとした砂糖入り寒天、下部の水羊羹と羊羹の中間ぐらいの絶妙な硬さで固めた特製羊羹。
2種類の甘さと食感、さらにはきらびやかな美しさまでも同時に楽しめる『天の川』を、ぜひ夜空の星々を愛でながらご堪能ください。
※税込価格…1個 756円

『土用餅』（7月19日～7月26日まで販売）

土用とは立春、立夏、立秋、立冬の前の各18日間のことで、次の季節へ移るまでの調整期間といったところ。
一般的には夏の土用（『暑中』とも呼ぶ）を指すことが多く、江戸時代の頃から暑さに負けないようにエネルギー源となる甘い『土用餅』をいただく習慣が始まったそうです。
駿河屋の『土用餅』は、絶妙な柔らかさに仕上げた餅を寒天入りのこし餡でくるんだもの。
品の良い甘さと心地よい食感が味わえます。暑気払いにぜひお召し上がりください。
※税込価格…1個 486円

『葛カフェ』（7月1日～7月31日まで販売）

葛で固めたコーヒーゼリー。コーヒーの深い香りと葛のもちっと感の相性が抜群で、付属のポーションクリームをかけるのがおすすめの食べ方です。
※税込価格…1個 292円

『笹くず餅』（7月1日～8月25日まで販売）

なめらかで上品な甘さのこしあんを、吉野葛を使用した葛で包み込んだ涼やかな夏の代表涼菓です。
つるんとしたのどごしと笹の葉の香りをお楽しみいただけます。
※税込価格…1個 162円

『よーかると』（7月1日～8月31日まで販売）

ビフィズス菌入り、ヨーグルト風味のさっぱりとした新タイプの羊羹。
白餡の甘味とヨーグルトの酸っぱさのハーモニーがお子様にも好評で、駿河屋菓子の新たな夏の風物詩になっています。
※税込価格…1個 648円

前月から継続販売中のラインナップをご紹介

『紀の鮎』（8月15日まで販売）

右手前が『紀の鮎』、左奥が『桂鮎』

毎年、初夏から夏にかけて登場するのが鮎を象った可愛らしい菓子。夏の季語であり、清らかの水の中を優雅に泳ぐ姿が涼しげに見える様から、鮎は夏の風物詩として親しまれています。
総本家駿河屋では、柔らかな求肥を包み込んだ鮎型の和菓子『紀の鮎』が販売中。
※オンラインショップでもお買い求め頂けます。
税込価格…1個 194円

京都の伏見本舗では、『紀の鮎』より一回り大きく、表情も異なる『桂鮎』が並んでいます。こちらも宜しくお願い致します。

『竹清水』（8月中旬まで伏見本舗限定販売）