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中秋の名月を優雅に演出する伝統の月見生菓子

私ども総本家駿河屋は室町時代に始まり、先代から受け継がれてきた歴史と伝統とともに、皆さまに愛され支えられてまいりました。

時代を経ても輝きを失わない定番の味わいも、
新しい時代と共に進化していく革新的な味わいも、

長年にわたって切磋琢磨しながら手を取り合ってきた『人』の想いが込められています。

今回は、旧暦の8月15日(2019年は9月13日)の満月をさす『中秋の名月』の伝統行事に欠かせない『月見団子』をご紹介しましょう。

月見文化の歴史と『月見団子』あれこれ

名月を見ながら『月見団子』などを食す『中秋の名月』の伝統行事。そのルーツは、中国から伝わった『中秋節』にありました。
中国では、太陽と月の位置関係から最も月が美しく見える旧暦の8月15日を『中秋節』とし、月を愛でながら中国菓子の月餅を皆でいただくという宴を開いていたそうです。

日本にその風習が伝わったのは平安時代の頃。貴族たちが月見をしながら歌を詠むなど、宮中の行事として開催されるようになりました。
江戸時代になると庶民の間にも月見行事は浸透。ちょうど里芋など作物の収穫期と重なったため、『芋名月』という別名で15個の『月見団子』と里芋を月にお供えして収穫を祝うスタイルに変わり、それが少し形を変えて現在まで受け継がれているのです。

この行事の主役といえる『月見団子』の形状は、地域によって千差万別。
関東では『月見団子』として一番イメージされる丸型の団子が積み重なったものが主流ですが、関西では楕円形の里芋型が多く、京都などでは里芋型の団子に餡をまいたものがよく見られます。
東海では里芋型より長いしずく型。四国や中国地方は丸型を串団子にしたもの。沖縄は『ふちゃぎ』という餅に小豆をふりかけたものをお供え物にするそうです。
ちなみに和歌山県では、関西特有の里芋型ではなく、丸型に餡をまいたものや丸形に黄粉をまぶしたものなどが多いそう。
味も見た目も違う全国の『月見団子』。こうやって並べていくと全部食べ比べしたくなりますね。

優雅な気分で月見を満喫。詰め合わせ菓子『月の宴』

和歌山の『月見団子』は丸形が多いと紹介しましたが、京都伏見を発祥とする総本家駿河屋の『月見団子』は、京都風の里芋型にこし餡をまいたもの。

米粉、砂糖、水を混ぜて蒸した団子生地を職人たちが一つ一つ手のひらの中で巧みに転がして、均一な里芋型に仕上げています。

上に乗せるこし餡は北海道産の上質な小豆を使用。
こし餡に粘り気をつけるため中に少し液糖を入れます。こうすることで、時間が経つにつれて起きるこし餡のひび割れを防止し、見た目の美しさをキープさせることができるのです。

味は上品かつ繊細。
シコシコした食感の団子はほんのりとした甘さで、こし餡と一緒にほおばることで、団子の深い風味をより堪能することができます。

この『月見団子』は単品販売もありますが、総本家駿河屋自慢の月見菓子セット『月の宴』にも含まれています。

『月の宴』は『月見団子(4個入)』に加え、
すすきの焼き印がアクセントの、黄色い月の団子(1個入)。
羊羹でできた赤い目が印象的な、紅餡入りのウサギの薯蕷饅頭(2個入)。
3種類の味と、見た目の優美さ、これらが一度に楽しめる豪華な逸品です。

2019年の中秋の名月は9月13日。
『月見団子』と『月の宴』は、前日12日と13日の2日間のみ各店頭にて販売させていただきます。

古来よりお供え物には月の不思議な力が宿るといわれています。
神秘的な月明かりの中、私共の菓子に込められた“皆様を笑顔にする美味しさの力”がより一層際立つかもしれません。
どうぞ皆様でその美味しさを実感してください。