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羊羹
2018/11/02

昔ながら手炊き、手流し。
当時のままに職人が手間をかけた『古代伏見羊羹』

私ども総本家駿河屋は室町時代に始まり、先代から受け継がれてきた歴史と伝統とともに、皆さまに愛され支えられてまいりました。

時代を経ても輝きを失わない定番の味わいも、
新しい時代と共に進化していく革新的な味わいも、

長年にわたって切磋琢磨しながら手を取り合ってきた「人」の想いが込められています。

今回ご紹介させて頂くのは、煉羊羹の誕生とともに受け継がれてきた製法を頑なに守り続ける「古代伏見羊羹」。江戸初期から、代々大切に受け継がれてきた煉羊羹の原点です。

煉羊羹の原点は総本家駿河屋にあり。

総本家駿河屋の「古代伏見羊羹」は、総本家駿河屋の五代目・岡本善右衛門が考案した最初の製法を受け継いだ、まさに煉羊羹の「原点」です。

煉羊羹は、総本家駿河屋の五代目・岡本善右衛門が考案した「餡を炊きあげる」革新的な製法により生まれました。そして、これが日本における煉羊羹の発祥と言われています。その後、六代目・善右衛門がさらに試行錯誤を重ね、煉羊羹の製法を確立するのですが「古代伏見羊羹」は、煉羊羹の元祖である五代目の手間暇かけた製法を受け継いだものなのです。

熟練の職人にしか作れない「古代伏見羊羹」

「古代伏見羊羹」は、五代目が考案した手間のかかる製法を受け継いで作られています。煉羊羹の材料は、餡と砂糖と寒天。まず、これらを炊き上げるのですが、この炊き加減が非常に難しく、限られた熟練の職人にしか担うことができません。その日の天候、気温、湿度などによって細かな調整が必要で、これを間違えると理想の粘度にならないのです。日によって異なる煉羊羹に最適な粘度を見極められるのは、経験を積んだ職人の感覚のみ。垂らした餡の粘り具合を、職人が自身の感覚だけで調整しているのです。また、当時は今のようにすぐに使える粉寒天がなく、糸寒天を一晩水に漬けて戻す作業も必要でしたが「古代伏見羊羹」には、当時と同じく水で戻した糸寒天を使用しています。昔ながらの作業には手間と労力、そして職人が長年かけて培ってきた感覚が必要不可欠なのです。

今なお受け継がれる、手炊き、手流しの技法。

総本家駿河屋の「古代伏見羊羹」は、当時の製法を代々受け継ぎ、今でもかつて本店があった京都伏見だけで作られています。前述したように、日によって細かな調整が必要な「古代伏見羊羹」を作れるのは、総本家駿河屋の中でも二人の職人だけ。昔ながらの手炊き、手流しでの作業となるため、一度に作れる数も多くはありません。しかし「古代伏見羊羹」には、糸寒天ならではの滑らかな舌触りや、一度冷まして固める課程で生じる砂糖の結晶など、独特の個性と深い味わいがあります。


厳選された三種類の味わい

手間暇かけて出来上がった「古代伏見羊羹」は、包装も昔ながらの竹の皮包み。測り売りをしていた当時のままのパッケージです。ほんのり香る竹の皮を拡げると、薄い砂糖の結晶に包まれた煉羊羹が現れます。切り分ける時、表面にヒビが入るほどの砂糖の結晶は、しゃりしゃりとした独特の食感を楽しませてくれます。そして、ほどよい甘味と寒天が持つコシの強さが口いっぱいに拡がります。「古代伏見羊羹」のラインナップは三種類。中でも「煉羊羹」は淡紅色の美しい色合いが特徴です。食感はもちろん、この独特の色合いが諸大名の心を瞬く間に掴んだと言われるのも納得。また、ほくほくの小豆の感触が魅力の「大納言」、季節を問わず人気の「栗」と個性豊かな味覚が用意されています。


総本家駿河屋の羊羹の中でも、原点にこだわったからこその質感と味わい、そして煉羊羹発祥からの長い歴史が「古代伏見羊羹」にはあるのです。

 

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